ぽろぽろとこぼれ行く時と

ぽろぽろとこぼれ行く雫

 

私の手のひらから 

 
どんどん落ちて
 

消えてゆく
 


大切なモノたち

 


 
何よりも大切だったはずの

  

貴方の笑顔や

 

貴方のぬくもりや

 

貴方の優しさ

 

 
何一つ確実に思い出せはしないのはどうして?

 

 
唯一つ

掴めるものは…確実なのは…この傷心だけで

 

 
傷ついて…直らずにいる 

この心だけで。

 

 
なぜ、一番大切なものを 

落としてしまうの?

 

 


ぽろぽろとなおも思いは落ちて

 

 ぽろぽろとなおも時間は消えて

 

 

貴方のその面影を

 
私はどれだけつかんでいられる?

 

それとも…いつか

 

存在さえも

 

 
落としてしまう?

 

 

 
落ち行くものを 止めることは出来ない

 
流れ行くものを 止めることは出来ない

 

 

けれど 

 

貴方との時だけは

 

落としたくないと思うのは

 



私の

 

ただの

 

 

我侭なのでしょうか…?

  



 

 

 

 
 
あとがき

 
残された者が、死んでいった者との思い出を落としてしまう

つまり忘れてしまうっていう感じです。
 

自分の手を見ていたら、なにか掴めるのかな…
などと考えてしまって、そこから思いつき。

記憶がなくなってしまうけれど、貴方と過ごした日々だけは忘れたくないのに  
という思いを表した詩なのです。